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日本で増え続けているエイズの症状と治療法

2020年04月29日

日本ではクラミジアやトリコモナスに感染している人が増えていますが、エイズも国内患者が増えている性病のひとつです。日本では毎年新たに1,000人以上の人が新たにHIVウイルスに感染していますが、エイズの症状を発症して初めて気づくケースも少なくありません。

エイズ(後天性免疫不全症候群)はHIVウイルスによって起こる病気で、ウイルスは血液中のリンパ球に侵入して増殖をします。HIVウイルスに感染すると少しずつ免疫力が低下し、数年~十数年もの長い潜伏期間を経た後に他の細菌やウイルスの感染症や悪性腫瘍を発症します。治療をせずに放置すると、細菌・ウイルスの感染症や悪性腫瘍などが原因で死に至る恐ろしい病気です。

HIVウイルスは、血液や精液・膣分泌液・母乳などに含まれます。このため、かつては輸血・血液製剤や母乳によって伝染する場合がありました。現在は、他の性病と同じように性行為によって伝染をするケースがほとんどです。

エイズは初期症状と、数年~十数年が経過して免疫が低下してから発症する悪性腫瘍などの各種症状の2つに分けられます。感染してから数週間~3ヶ月の間にHIVウイルスは急激に増殖し、発熱・倦怠感・リンパ節の腫れなどを発症します。発熱は放置しても自然に収まり、風邪やインフルエンザとよく似ていることから、検査を受けずに放置して気づかずにいるケースが少なくありません。

初期症状が収まった後は数年~十数年もの長い間にわたり無症状の潜伏期間が続きますが、潜伏期間の長さは人によって違いがあります。慶應義塾大学病院が公表したデータによれば、10年が経過するまでに約半数がエイズを発症します。エイズを発症すると、健康な人では問題がないような細菌・カビ・寄生虫・ウイルスなどが原因で起こる日和見感染症・悪性腫瘍や神経障害を起こします。エイズが発症しても何もせず放置した場合、2~3年程度で死に至ります。

エイズは治療をしなければ最終的に死に至る恐ろしい病気ですが、発症を抑えるための治療を行うことが可能です。現在はいくつかの抗ウイルス薬が開発されていて、HIVウイルスの増殖を抑えることで免疫力が低下するのを防いで発症を予防することができます。ただし、治療薬を服用してもHIVウイルスを死滅させることができないので、治療を中断したりウイルスが薬に対する耐性を獲得すると発症してしまいます。

おもな治療方法は抗ウイルス薬(内服薬)の投与で、毎日同じ時間に欠かさずに薬を飲み続ける必要があります。以前は1日に何回も数種類もの薬を服用しなければなりませんでしたが、現在は1種類の薬を1日1回だけ服用するだけで発症を予防することができるようになりました。治療をしてもHIVウイルスに感染した状態は続きますが、健康な人とほとんど変わらない程度に日常生活を送ることは可能です。それでも免疫力が低下していることに注意を払う必要があり、ペットを素手で触れるなどの行為を避ける必要があります。

ただし1回でも薬を飲み忘れるとウイルスが薬剤に対して耐性を持ってしまうため、毎日確実に薬を飲み続けなければなりません。薬の飲み忘れなどが原因でウイルスが薬に耐性を持ってしまうと、以後はその薬が効かなくなってしまいます。10回中1回だけ薬を飲み忘れるだけでも、ウイルスが耐性を持ってしまう恐れがあります。HIVウイルスの増殖を抑えることができる抗ウイルス薬は数種類しか存在していないため、使用可能な薬の選択肢が減ることは発症リスクを高めることにつながります。

エイズは薬を服用することで治療ができるので、不治の病ではなくなりました。それでも使用可能な治療薬の種類は限られていますし、体内の病原体を完全に消滅させることはできません。病気を予防するためにできる最も効果的な方法は、HIVウイルスに感染をしないようにすることです。性行為の際にコンドームを着用するなどの方法で、感染を予防することができます。